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名前
エフラム・クオールズ リアン・ヒルベルト カラン・アーザイン クラン・アーザイン
ウァルダリアル・アーザイン バーニア・アルニアス カーク・バイナス
ジャン・アールグレイ ブルーナ・クレイスト ザイドラル・アールグレイ
(ポーラ・バルドール) アルビス・ティルハング ハイカル・ディーク
バルド・ラザーグ エリザ・ロゼット トーク・エンバート
リーラ・リュート ビルシア・パナーク レンディ・ワージル
デルタ・アラザナグド エイリス・ゼイフォル ユファー・アーラ
召喚獣
名前 種族 持ち主 備考
ルド 雷竜 エフラム 金色。棍棒に宿る。初代の『心ある獣』
クリス 氷鳥 エフラム 蒼色。ペンダントに宿る。リアンから譲り受ける。
??? ? リアン 神の種族。リアンの体に宿る。聖なる魔法を暴走させる。
黄泉の門を開く力を持つ。
ウァル 天使 クラン 見た目は普通の青年。強力な光魔法を使う。魔方陣に宿る
ため持ち運び不可。活動は3時間まで。
ソルトラス 雷猫 クラン 黄色。金色の鈴に宿る。
シルトラス 風猫 カラン 白色。銀色の鈴に宿る。ソルトラスより弱い。
アイシクル 氷犬 ジャン 青色。水晶に宿る。神クラス『氷帝』。祖父ザイドラルから
譲り受けたとジャンは言うが、実は彼が生み出した。
シルラ 風犬 ブルーナ 銀色。指輪『風鱗』に宿る。空間歩行を得意とする。
ウィーグ 炎亀 バルド 赤色。黒い石に宿る。甲羅は赤茶色。煙による攻撃が得意。
レイ 炎犬 エリザ 朱色。赤い羽根に宿る。直接的炎での戦い方を得意とする。
ジュダ 炎聖 トーク 梟の彫刻に宿る。意思を持たないマグマの塊。熱で攻撃。
ウォルド 風犬 ビルシア 銀色。マントに宿る。平凡な召喚獣。
ウィンディア 風犬 リーラ 白色。コインに宿る。ウォルドよりは強いが、やはり平凡。
ディクス 風鳥 ユファー 白色。扇に宿る。かなり強い力を持つ。
プロス 氷蛇 デルタ 神クラス。意思はデルタとシンクロしている。
エフラム・クオールズ リアン・ヒルベルト カラン・アーザイン クラン・アーザイン
ウァルダリアル・アーザイン バーニア・アルニアス カーク・バイナス
ジャン・アールグレイ ブルーナ・クレイスト ザイドラル・アールグレイ
(ポーラ・バルドール) アルビス・ティルハング ハイカル・ディーク
バルド・ラザーグ エリザ・ロゼット トーク・エンバート
リーラ・リュート ビルシア・パナーク レンディ・ワージル
デルタ・アラザナグド エイリス・ゼイフォル ユファー・アーラ
召喚獣
名前 種族 持ち主 備考
ルド 雷竜 エフラム 金色。棍棒に宿る。初代の『心ある獣』
クリス 氷鳥 エフラム 蒼色。ペンダントに宿る。リアンから譲り受ける。
??? ? リアン 神の種族。リアンの体に宿る。聖なる魔法を暴走させる。
黄泉の門を開く力を持つ。
ウァル 天使 クラン 見た目は普通の青年。強力な光魔法を使う。魔方陣に宿る
ため持ち運び不可。活動は3時間まで。
ソルトラス 雷猫 クラン 黄色。金色の鈴に宿る。
シルトラス 風猫 カラン 白色。銀色の鈴に宿る。ソルトラスより弱い。
アイシクル 氷犬 ジャン 青色。水晶に宿る。神クラス『氷帝』。祖父ザイドラルから
譲り受けたとジャンは言うが、実は彼が生み出した。
シルラ 風犬 ブルーナ 銀色。指輪『風鱗』に宿る。空間歩行を得意とする。
ウィーグ 炎亀 バルド 赤色。黒い石に宿る。甲羅は赤茶色。煙による攻撃が得意。
レイ 炎犬 エリザ 朱色。赤い羽根に宿る。直接的炎での戦い方を得意とする。
ジュダ 炎聖 トーク 梟の彫刻に宿る。意思を持たないマグマの塊。熱で攻撃。
ウォルド 風犬 ビルシア 銀色。マントに宿る。平凡な召喚獣。
ウィンディア 風犬 リーラ 白色。コインに宿る。ウォルドよりは強いが、やはり平凡。
ディクス 風鳥 ユファー 白色。扇に宿る。かなり強い力を持つ。
プロス 氷蛇 デルタ 神クラス。意思はデルタとシンクロしている。
一章 何かを守るために 8
エフラムは激しく狼狽した。とにかく周りに人がいないことを反射的に確認する。幸い誰もいなかった。
「りり、リアン!!?ど、どうしたんだよ!?」胸に小さな頭を押し付けられたまま、エフラムは聞いた。
その時、エフラムは濡れた感覚を感じて、ぴたりと固まった。
リアンが、泣いていたことを思い出し、混乱した頭が水をかぶったように冷えた。
エフラムは、甘い香りのする深緑の髪にぎこちなく手を置いた。少女が小さく嗚咽を漏らした。
「リアン・・・どうしたんだ?」エフラムは努めて優しい口調で訊いた。
「・・・す、すみま、せん・・・少し、待って・・・」
エフラムは、リアンの嗚咽が止まるまで待った。知り合いにこんな状況を見られたら言い訳できないな、と一瞬頭をよぎった考えはすぐに追い払った。リアンが泣いているのに、そんな心配をするのは非道だ。
しばらくして、落ち着いたリアンの頭が胸から離れた。温かさが名残惜しかった。
「エフラムさん、やっぱり、事情を話したいです・・・でも、エフラムさんだけに・・・」
だけ、という言葉にエフラムは一瞬どきりとしたが、すぐに気を取り直した。そして、
「場所、変えてもいいか?・・・初めて、会ったところ。」
リアンは呆けた顔をしたが、すぐに、はいと返事をした。
「りり、リアン!!?ど、どうしたんだよ!?」胸に小さな頭を押し付けられたまま、エフラムは聞いた。
その時、エフラムは濡れた感覚を感じて、ぴたりと固まった。
リアンが、泣いていたことを思い出し、混乱した頭が水をかぶったように冷えた。
エフラムは、甘い香りのする深緑の髪にぎこちなく手を置いた。少女が小さく嗚咽を漏らした。
「リアン・・・どうしたんだ?」エフラムは努めて優しい口調で訊いた。
「・・・す、すみま、せん・・・少し、待って・・・」
エフラムは、リアンの嗚咽が止まるまで待った。知り合いにこんな状況を見られたら言い訳できないな、と一瞬頭をよぎった考えはすぐに追い払った。リアンが泣いているのに、そんな心配をするのは非道だ。
しばらくして、落ち着いたリアンの頭が胸から離れた。温かさが名残惜しかった。
「エフラムさん、やっぱり、事情を話したいです・・・でも、エフラムさんだけに・・・」
だけ、という言葉にエフラムは一瞬どきりとしたが、すぐに気を取り直した。そして、
「場所、変えてもいいか?・・・初めて、会ったところ。」
リアンは呆けた顔をしたが、すぐに、はいと返事をした。
一章 何かを守るために 7
ジャンは騎士の村、ナイツビレッジの中でも中心に近いところ、つまり『騎士の砦』から近い場所に建つ豪華な建物の門をくぐった。
「・・・ただいま」ぽつりと言ったその言葉の持つ哀しげな響きは、無意味に広い庭へ吸い込まれた。
ジャンはふるふると頭を振った。これから幼なじみに会うのだ。彼女もアルビス程ではないが、機嫌を損ねさせたくない相手だ。自分から呼び出しておいてその顔は何だ、と腕をつねられるところが容易に想像できる。
「ジャン=アールグレイ様。」後ろから太い声が聞こえ、ジャンは咄嗟にローブの裾に手を入れた。
「あ・・・なんだ、アメリアさんか・・・」見覚えのある姿に、ジャンは緊張をといた。
2メートル近い巨体に、がたいのいい身体つきの男がすぐ後ろに立っていた。頬から米神にかけて大きな傷のある顔は、完璧なまでに無表情だ。なぜ声をかけられるまで気づかないのかが不思議になる。
「ブルーナ様が、庭の日除けの中でお待ちです。必ず来るようにしていただきたい。」
逆に呼び出された。ジャンは苦笑して歩き始めた。
到着してすぐに、部屋ではなく屋外にジャンを呼び出したのはついさっきだ。ベンチに落ち着くのとほぼ同時に彼はやってきた。
「遅い。」ブルーナの第一声はそれだった。
「それは失礼。で、何でこんなところに呼び出したんだい?」対して穏やかにジャンが応じる。
「決まっているでしょ?」ぐっとジャンの耳元に口を寄せる。橙色の美しい髪がジャンの顔にかかる。
「『水帝』についてよ・・・知っているでしょ?」
ジャンは一歩退いてから、ゆっくりと頷いた。
「・・・ただいま」ぽつりと言ったその言葉の持つ哀しげな響きは、無意味に広い庭へ吸い込まれた。
ジャンはふるふると頭を振った。これから幼なじみに会うのだ。彼女もアルビス程ではないが、機嫌を損ねさせたくない相手だ。自分から呼び出しておいてその顔は何だ、と腕をつねられるところが容易に想像できる。
「ジャン=アールグレイ様。」後ろから太い声が聞こえ、ジャンは咄嗟にローブの裾に手を入れた。
「あ・・・なんだ、アメリアさんか・・・」見覚えのある姿に、ジャンは緊張をといた。
2メートル近い巨体に、がたいのいい身体つきの男がすぐ後ろに立っていた。頬から米神にかけて大きな傷のある顔は、完璧なまでに無表情だ。なぜ声をかけられるまで気づかないのかが不思議になる。
「ブルーナ様が、庭の日除けの中でお待ちです。必ず来るようにしていただきたい。」
逆に呼び出された。ジャンは苦笑して歩き始めた。
到着してすぐに、部屋ではなく屋外にジャンを呼び出したのはついさっきだ。ベンチに落ち着くのとほぼ同時に彼はやってきた。
「遅い。」ブルーナの第一声はそれだった。
「それは失礼。で、何でこんなところに呼び出したんだい?」対して穏やかにジャンが応じる。
「決まっているでしょ?」ぐっとジャンの耳元に口を寄せる。橙色の美しい髪がジャンの顔にかかる。
「『水帝』についてよ・・・知っているでしょ?」
ジャンは一歩退いてから、ゆっくりと頷いた。
一章 何かを守るために 6
アルビスは眼を覚ました。がばっとはね起きて突然の襲撃者をみつけようと視線を巡らす。
騎士団の救護室だった。ぽかんとしていると、すぐ真横からため息がきこえた。誰かは瞬時に判断したが、一応礼儀としてそちらを見る。予想的中、げんこつで額を小突かれた。
「お前なぁ・・・無様すぎるぞ。何っにもできずに攻撃されてそのまま昇天したって?」
ごりごりごりと額にげんこつをおしつけられ、お説教が始まった。相手は無論、
「先生・・・とりあえず手を離してください・・・」いらいらしていますと言わんばかりの口調で手に爪を立てた。
先生、ハイカル=ディークは手を振って爪を払い、噛み付かれないようにすぐ引いた。ごつい手には四つの爪あとがしっかりついた。わざと痛そうに手を何度か振る。が、すぐにその顔が引き締まった。
「まぁいいか。それより、その野郎はどんな奴だった?姿は見たか?」『襲撃犯』の調査が始まった。
アルビスもハイカルに習い、真面目に答えるべく襲撃時のことをできるだけ思い出した。
「後ろからの一撃だったから、顔は見てません。・・・声から判断すると、二十代前半の男。」
「なにか言ったのか?会話らしいものは聞き取ったか?」
「『ビショップ候補だな?』・・・って言いました。ジャンに向かって。」
「で、反応する前にやられた・・・のか?」
「はい。・・・あれ、あの男捕まってないんですか?」今さらだが、素朴な疑問が浮かんだ。
いまさらそんなことを聞き始めた弟子に、ハイカルはため息をついた。
危険を感じて頭を伏せると、髪の毛をかすってげん骨がとんでくる。
「よけるなよ!」「無理言うなっ!!」3年も師弟縁でいれば、『ため息をついたらげん骨が来る』ぐらい覚える。
「あぁ・・・実は、ジャンの召喚獣にやられて逃げたらしい。本人いわく『アイシクルが勝手に反応して、敵はその瞬間に逃げたからよくわからない』・・・だとよ。全滅しなかったから良かったって言えば良かったが、癪だな。」
ハイカルは頭をぼりぼり掻きながら、立ち上がり、アルビスの寝かされているベッドに立てかけてあった愛用の大剣を軽々と持ち上げた。
「・・・あれ。もう終わり?」あまりにあっさりした質問にアルビスは戸惑った。
「ああ。確実なことだけ聞けば別にな。怪我人はおとなしく寝てろ。・・・もう丸一日寝てたけどな。」
それだけ言って、ハイカルは救護室から出て行った。
騎士団の救護室だった。ぽかんとしていると、すぐ真横からため息がきこえた。誰かは瞬時に判断したが、一応礼儀としてそちらを見る。予想的中、げんこつで額を小突かれた。
「お前なぁ・・・無様すぎるぞ。何っにもできずに攻撃されてそのまま昇天したって?」
ごりごりごりと額にげんこつをおしつけられ、お説教が始まった。相手は無論、
「先生・・・とりあえず手を離してください・・・」いらいらしていますと言わんばかりの口調で手に爪を立てた。
先生、ハイカル=ディークは手を振って爪を払い、噛み付かれないようにすぐ引いた。ごつい手には四つの爪あとがしっかりついた。わざと痛そうに手を何度か振る。が、すぐにその顔が引き締まった。
「まぁいいか。それより、その野郎はどんな奴だった?姿は見たか?」『襲撃犯』の調査が始まった。
アルビスもハイカルに習い、真面目に答えるべく襲撃時のことをできるだけ思い出した。
「後ろからの一撃だったから、顔は見てません。・・・声から判断すると、二十代前半の男。」
「なにか言ったのか?会話らしいものは聞き取ったか?」
「『ビショップ候補だな?』・・・って言いました。ジャンに向かって。」
「で、反応する前にやられた・・・のか?」
「はい。・・・あれ、あの男捕まってないんですか?」今さらだが、素朴な疑問が浮かんだ。
いまさらそんなことを聞き始めた弟子に、ハイカルはため息をついた。
危険を感じて頭を伏せると、髪の毛をかすってげん骨がとんでくる。
「よけるなよ!」「無理言うなっ!!」3年も師弟縁でいれば、『ため息をついたらげん骨が来る』ぐらい覚える。
「あぁ・・・実は、ジャンの召喚獣にやられて逃げたらしい。本人いわく『アイシクルが勝手に反応して、敵はその瞬間に逃げたからよくわからない』・・・だとよ。全滅しなかったから良かったって言えば良かったが、癪だな。」
ハイカルは頭をぼりぼり掻きながら、立ち上がり、アルビスの寝かされているベッドに立てかけてあった愛用の大剣を軽々と持ち上げた。
「・・・あれ。もう終わり?」あまりにあっさりした質問にアルビスは戸惑った。
「ああ。確実なことだけ聞けば別にな。怪我人はおとなしく寝てろ。・・・もう丸一日寝てたけどな。」
それだけ言って、ハイカルは救護室から出て行った。
一章 何かを守るために 5
エフラムは薪を割る作業をしていた。近くの草の上にリアンが座りこんで作業を見つめている。
天気が良いが、薄い雲のおかげで日ざしはそれ程きつくない。ばこっと薪が割れる音がする。
「・・・エフラム。やっぱりそれ危ないと思うんだけど。」
常に持ち歩いている棍棒に尖った鉄を金具で適当に固定したものを振り下ろすエフラムを見ながら言った。
「いや大丈夫だ。吹っ飛んでも避ける自信がある。」ばこっ、とやりながらエフラムは返した。
「それってやっぱり・・・」ばこっ「いーや大丈夫だ。人間死ぬときゃあ死ぬけどそうそう死んだりしないって。」
ばこっ、と少しきれのある音がして、エフラムが危険な棒を投げ捨てた。うーんと伸びをしている。
「薪割り終わり・・・っと。家まで運ぶか。」ひょいと棍棒を持ち上げて金具を外しながらエフラムが言った。
自分はこんなところで何をしているのだろう。頭の中のどこかでそんな言葉が浮かんだ。もうこれ以上世話になるわけにはいかないのだ。逃げなければいけない。自分で、自分の宿命を定めたはずだ。
はずだった。だが、今も考えられない程のお人好しの少年についていっている。
「おい?どうしたんだよ?」少年から怪訝そうな声を聞く。慌てて返事をしようとしたが、やめた。馴れ合うのはだめだ、と頭のなかで声がした。そうして自分の中でせめぎあいがあり、とても少年に応えることなどできなかった。そうして、責任感と甘い考えの間で揺られ続けて、
「なぜ泣く!?」少年の絶望的な叫び声が聞こえたが、そのままその手をつかんで少年を先程の草原のところまで引きずった。少年が当惑しきっているのに気づき、一瞬気まずかったが、そのまま口を開いた。
涙声しかでなかった。
「うううぅぅ!!」「うおぁっ!!?」そのまま何故か少年に体当たりのように抱きついた。
天気が良いが、薄い雲のおかげで日ざしはそれ程きつくない。ばこっと薪が割れる音がする。
「・・・エフラム。やっぱりそれ危ないと思うんだけど。」
常に持ち歩いている棍棒に尖った鉄を金具で適当に固定したものを振り下ろすエフラムを見ながら言った。
「いや大丈夫だ。吹っ飛んでも避ける自信がある。」ばこっ、とやりながらエフラムは返した。
「それってやっぱり・・・」ばこっ「いーや大丈夫だ。人間死ぬときゃあ死ぬけどそうそう死んだりしないって。」
ばこっ、と少しきれのある音がして、エフラムが危険な棒を投げ捨てた。うーんと伸びをしている。
「薪割り終わり・・・っと。家まで運ぶか。」ひょいと棍棒を持ち上げて金具を外しながらエフラムが言った。
自分はこんなところで何をしているのだろう。頭の中のどこかでそんな言葉が浮かんだ。もうこれ以上世話になるわけにはいかないのだ。逃げなければいけない。自分で、自分の宿命を定めたはずだ。
はずだった。だが、今も考えられない程のお人好しの少年についていっている。
「おい?どうしたんだよ?」少年から怪訝そうな声を聞く。慌てて返事をしようとしたが、やめた。馴れ合うのはだめだ、と頭のなかで声がした。そうして自分の中でせめぎあいがあり、とても少年に応えることなどできなかった。そうして、責任感と甘い考えの間で揺られ続けて、
「なぜ泣く!?」少年の絶望的な叫び声が聞こえたが、そのままその手をつかんで少年を先程の草原のところまで引きずった。少年が当惑しきっているのに気づき、一瞬気まずかったが、そのまま口を開いた。
涙声しかでなかった。
「うううぅぅ!!」「うおぁっ!!?」そのまま何故か少年に体当たりのように抱きついた。


